Clients Interview
アートアンドサイエンスと昭文社とのお付き合いの始まりは2011年にまでさかのぼります。それから約10年に渡りWebサイト構築・運営、OOHなどの広告、POPなどの店頭販促、パンフレットなどの法人営業ツール、法人部門のVIから社屋の装飾など様々なクリエイティブを通じて、昭文社のブランドのマネジメントに共に取り組んで来ました。
『昭文社とアートアンドサイエンスの最初のプロジェクトはコーポレートWebサイトのフルリニューアル。大手制作会社を含む4社の競合コンペを実施しましたが、要件は「上場企業としての信頼感を担保しつつ、オリジナリティあるユニークな構成の実現」というもの。アートアンドサイエンスは「情報発信のプラットフォーム機能を担うコーポレートWebサイト」というコンセプトを提案し採用されます。当時まだ “オウンドメディア” というキーワードも一般的ではなかった中で、チャレンジングで斬新な提案として目に映りました。アートアンドサイエンスの提案で印象深かったのは、オリエンテーションで伝えたことが十二分に咀嚼されている点。さらにデザインとシステムの裏付けがしっかりしている上に、昭文社らしさを再解釈したオリジナリティがある点。企画のユニークさとその必然性の捉え方が、他社に比べてずば抜けて良かったと思います。
その後も企画・開発だけでなく、Webサイトの編集・運営もアートアンドサイエンスがサポートしています。やはりWebサイト成功のカギは、サイト公開後の運営。技術的なサポートだけでなく、アクセス数やリピート回数を上げる “仕掛け” の成果を期待し、オリジナルの編集記事制作をはじめ、コンテンツへ誘導するサイネージバナーの更新まで一貫して委託しています。』
この後、アートアンドサイエンスは2019年に二度目の昭文社のコーポレートWebサイトのフルリニューアルを手掛けました。10年間のパートナーシップの蓄積を踏まえつつ時代に合わせたリニューアルができたと考えています。
BtoBもBtoCもどちらの顧客もターゲットとなるコーポレートWebサイトの制作後、アートアンドサイエンスは昭文社の法人営業部全体のコミュニケーションデザインのプロジェクトを手掛けます。法人営業部全体を象徴するコミュニケーションマークをデザインし、それらをパンフレット、名刺、封筒、パワーポイントなどに反映。顧客に法人営業部の “総合力” を感じてもらえるよう、新しいタグラインを含むコミュニケーション全体を設計しました。
『アートアンドサイエンスは、昭文社の法人営業部門の意志決定をサポートする良きビジネスパートナーというポジション。初期の段階では、事業の方向性を慎重かつていねいにヒアリング。当初は骨子が固まっていなかったため、アートアンドサイエンスが提案する企画を揉みながらプロジェクトの方向性を議論しました。事業をどう行いたいか、事業内容はどう表現するのか、部門をどういった方向に飛躍させたいか。またプロモーション活動のあり方についても、具体的に、深く意見を交わし、それをアートアンドサイエンスがうまく整理しながら、制作を進めました。
できあがったデザインを振り返れば、昭文社の法人事業の方向性がしっかりと表現されており、顧客に新しい価値や期待を感じさせることができる理想的なパンフレットになったと感じます。あるべき到達点へ、ほぼ最短距離でリードしてくれたと思います。』
『昭文社とアートアンドサイエンスはその後もユニークなブランディング施策を次々と手掛けることになります。本社社屋をオリジナルのデザインで装飾したり、海外ユーザー向けのキャラクターを開発したり、店頭販促用のアプリを開発したり、昭文社ブランドを定着させることが重要なクリエイティブ案件については必ずアートアンドサイエンスが関わるという体制ができました。
手掛けるクリエイティブは多種多様でも、長年のパートナーシップによって昭文社のブランドコアを共有し合っていることにより、制作するクリエイティブが必ず最終的に昭文社のブランド強化に資するよう企画制作することができました。
また、長い歴史のある企業において、これらクリエイティブデザインへの積極的取り組みは、インナーブランディングとしての刺激に繋がりました。ここ10年間で、企業と顧客の関係性づくりは大きく変わり、コミュニケーションの手法や内容もいまだ変容を続けています。そのような時代の流れの中、クリエイティブデザインに真摯に向き合うプロセスそのものが、昭文社の社員たちにとって昭文社のブランド価値に常に向き合うきっかけとなっていたことは、振り返ってみるととても大きな成果です。いまではファンや顧客とのコミュニケーションに長けた企業の一つとして認知されている昭文社ですが、その基盤となったのはアートアンドサイエンスとのブランディングプロジェクトだと考えられます。』
昭文社
経営戦略室
鶴岡優子
※所属・肩書きは取材時点(2012年)の情報です
広告・出版・マスコミ