ガイドブック出版大手の昭文社のコーポレートコミュニケーション。法人向けブランディング、消費者向けブランディング、インナーブランディングなど、企業コミュニケーションの全領域を長年に渡り手掛けています。これまでデザイン制作したメディアも、コーポレートWebサイト、オウンドメディアの編集・取材・ライティング、店頭販促、交通広告、映像動画、社屋装飾、Facebook・Twitterのアカウント立ち上げ、キャラクターの企画制作、アプリ開発、法人部門VI、法人部門パンフレットなど多岐にわたります。
事業領域がBtoBからBtoCまで幅広いため、課題に応じて状況理解が求められ、Webサイトから店頭までユーザーとのタッチポイントも幅広いため、コミュニケーションの一貫性と臨機応変な企画性の両方が求められますが、クライアントと長期に渡り築いてきた信頼関係によって、一定の緊張感を保ちながら極めて効率的に対応できるようになっています。
高度に洗練されたデザインや時代の先端的なデザインだけが効果的なデザインとは限りません。昭文社のコミュニケーションは、企業のブランドビジョンに合致した、顧客体験としてのクリエイティブを常に意識してデザイン提供しています。「おでかけの楽しさ」「プロの情報の便利さ」「思わず顔がほころぶようなユーモア」「フレンドリーなデジタルサービス」など、企業のコア能力にまつわる重要なキーワードを、関係するスタッフ全員が共通認識しているので、柔軟でスピーディーな対応が求められるシーンでも、チャレンジングで冒険的な企画が重視されるシーンでも、いずれの場合もチームが前向きに受けとめて自律的に解決することができるようになっています。
クライアント企業と長期間一貫したパートナーシップを組むことは、デザインの統一感というメリットが生まれるだけでなく、短期間では把握しづらい企業の本質を理解し、企業の様々な側面に光をあてた多様性のあるコミュニケーションの実現にも繫がります。
企業ブランディング
社内に広報部や宣伝部といった部署が設置されていなかった段階から、ブランディングデザインやコミュニケーション戦略を “経営課題” として捉え、外部のデザイン会社と対等なパートナーシップを組んで改革に取り組んだ先見的事例をご紹介。当時経営企画室に所属していた担当者のコメント(記事内のコメントはすべて2012年当時のもの)は、すでに現在の「デザイン経営」の観点を持っています。
昭文社 経営戦略室 鶴岡優子