(ソルテラグループ)
太陽油化は、廃油の回収、処理、リサイクル、販売を自社工場で行っている都内23区で唯一の会社です。1963年の東京オリンピック前年に創業し、日本の高度成長と共に成長を続け東京の生活や産業のインフラを陰ながら支えてきました。2020年再び東京でオリンピックが開催されることが決定し、老朽化した建造物の建替工事や、スタジアムなどの巨大関連施設の建設、臨海地区の開発加速など、太陽油化が行っている環境事業の需要はこれからさらに高まります。
近年は、関連する自動車整備会社や建設会社をグループ化し、太陽油化を中心としたソルテラグループへと組織再編中。企業の成長と社会的価値をさらに向上させるプランを実行中です。
産業廃棄物やオイルのリサイクルを手がける企業として、かねてから、地域社会とのオープンな関係性構築や従業員のプライドやロイヤリティの醸成に意欲的な取り組みを行ってきましたが、2016年よりアートアンドサイエンスが社内外のコミュニケーションを手がけるようになり、一段とクリエイティビティとコミュニケーションを重視する企業へと変貌しました。
太陽油化の社内外広報誌、新規事業のブランディング、ホールディングスカンパニーのキービジュアルと企業スローガンなど、キーとなるプロジェクトを並行的に進めながらグループ全体のブランディングを支援しています。
2016年から継続的に手がける太陽油化の社内外広報誌「TAIYOYUKA MAGAZINE」は、いまではインナーブランディングツールとして欠かせない重要なメディアとなっています。顧客や従業員はもちろん、取引先、地域住民、従業員の家族まで、幅広い読者をあらかじめ想定し、「産業廃棄物処理業者」のステレオタイプなイメージにとらわれないユーモア溢れるコンテンツとフレンドリーなデザインをコンセプトにして毎号制作しています。BtoB企業である太陽油化が「TAIYOYUKA MAGAZINE」という社外との接点となるオープンなメディアを持つことで、従業員に社会への責任と会社への愛着を芽生えさせるきっかけとなっています。また、従業員の家族、採用希望者にも好評で、一般社員を編集スタッフとして巻き込んだ制作は毎年の恒例イベント的なプロジェクトして社内に定着しています。
新規事業として立ち上がった、消臭剤や肥料の製品プロモーションも、アートアンドサイエンスがプロジェクトの立ち上げからブランディングデザインを手がけました。プロジェクト名を「東京バクテリアラボ」とし「東京の汚泥で東京を素敵に」というコンセプトを据えたブランディングは、環境展示会などでこれまでにない大きな反響を呼び起こし、『デザインがビジネスに与えるインパクトを実感した』という声が社内から数多く発せられ、ブランディングの重要さと高い効果を企業が身をもって経験する機会ともなりました。
アートアンドサイエンスは、このようなインナーブランディングとしてのブランディングプロジェクトを成功させるために、独自の「ウォークアラウンドインタビュー」や「ブランドアティチュードマトリクス」などのメソッドを開発。太陽油化のプロジェクトでもその手法を活用しています。
企業ブランディング
産業廃棄物処理という業種の特性から、社員そして地域との良好な関係性構築を重視した経営方針を持っていた太陽油化(ソルテラホールディングス)。アートアンドサイエンスとのパートナーシップ以前から、社内向け広報誌の制作を社員の意識高揚施策の一つとして取り組んでいました。アートアンドサイエンスが企業コミュニケーションを幅広くプロデュースするようになってからそれらはどう変わったのか。インナーブランディングの効果と社内の変化について担当者に語っていただきました。
荒木幸人 櫻井麗華 北館 圭